硫酸とは異なる。有機酸による劣化について
近年、汚水や汚泥の腐敗過程において発生する有機酸の影響により、下水道処理施設やビルピット等の環境下で、防食対策として施工された塗布型ライニング工法に劣化が生じる事例が報告されています。
これらの施設では、従来より硫酸腐食を主な想定劣化要因として防食設計が行われてきましたが、有機酸の存在が防食被覆層の性能や耐久性に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
有機酸は、防食被覆層に浸透・作用することで塗膜の物性低下を引き起こす場合があり、その結果、防食機能の低下や下地コンクリートへの影響につながることがあります。
このような状況から、防食設計においては、硫酸腐食だけでなく、有機酸による影響も考慮した対策が求められています。
有機酸は、硫酸腐食のように目に見えて急激な損傷を生じるケースは少ないものの、長期的には防食被覆層の劣化を促進し、コンクリート構造物の耐久性低下につながる可能性があります。
そのため、初期段階では異常が確認しにくく、劣化が進行した段階で補修や再施工が必要となるケースも少なくありません。
このような特性から、有機酸の影響を考慮した防食対策は、構造物の長寿命化や維持管理コストの低減という観点からも重要であると考えられます。
旭化成アドバンス株式会社. “エポマー® GP-303″. 旭化成アドバンス 公式サイト , (参照 2024-05-22).
